加法混色に用いる三つの独立な色光、または減法混色に用いる三つの吸収媒体の色をいう。
スクリーン上に色の異なる三つの独立な色光(たとえば赤、緑、青の色光)を同時に投影すると、三つの色光の重なり合った部分にこれらの色光のいずれとも異なる色が観察される。このように色光が混ざり合って元の色光のいずれとも異なる色に見える現象を加法混色とよび、これら三つの独立な色光を加法混色の三原色とよぶ。文脈から意味が明確な場合は単に三原色とよぶ。
三原色をそれぞれ適当な輝度で加法混色することにより、種々の色をつくることができる。このことは経験的によく知られていて、ヤング‐ヘルムホルツの三色説の根拠になっている。ヤング‐ヘルムホルツの三色説を原理として、三つの数値を用いて色を表示するシステムを三色表色系という。三色表色系の国際標準であるCIE表色系では、三原色にかえて「三つの原刺激」という用語が用いられる。
三原色は互いに独立ならばどのような色光でもかまわないが、一般には純度の高い赤、緑、青の色光が用いられる。ここで、三つの色光が互いに独立とは、三つの色光のどの二つをいかなる輝度で混ぜ合わせても、残り一つの色光の色をけっしてつくることができないことを意味する。また、色度図上で三つの色光の色度点が1本の直線上になければ、それらは互いに独立である。
色光の重ね合わせによる加法混色に対して、色素などの光を吸収する媒質の重ね合わせによる混色を減法混色とよび、減法混色に用いる3種の吸収媒質を減法混色の三原色とよぶ。減法混色の三原色には一般にシアン、マゼンタ、イエローの吸収媒質(色素など)が用いられる。加法混色では混色で得られる色の分光分布は混色される色の分光分布の和になるが、減法混色では積になるという違いがある。
[佐藤雅子]
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→原色
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…例えば赤,緑,青の3色である。これらは色の元ということで原色,あるいは三原色と呼ばれる。しかし測色学では原色という用語はなく,したがってこれは日常の俗称ということになる。…
※「三原色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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