大坂屋利右衛門(読み)おおさかや・りえもん

朝日日本歴史人物事典 「大坂屋利右衛門」の解説

大坂屋利右衛門

生年生没年不詳
江戸中期,特に享保期の前半期に活躍した江戸町人。享保10(1725)年12月,同じく江戸町人の紀伊国屋源兵衛,野村屋甚兵衛らと3人で出願して大坂に大坂御為替米御用会所を設置して買米を行った。しかしこの会所は不振であった。利右衛門は紀伊国屋源兵衛と同じく江戸本材木町の住人であったが,富商とみなすことはできない。なぜなら延享1(1744)年の買米令に指名されていないからである。しかし,幕府と密接な関係を持つ投機的商人として注目すべきである。享保期の後半期に活躍した高間伝兵衛らとは系譜を異にする。<参考文献>西山松之助『江戸町人の研究』1巻

(土肥鑑高)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大坂屋利右衛門」の解説

大坂屋利右衛門 おおさかや-りえもん

?-? 江戸時代中期の商人。
江戸の人。享保(きょうほう)8年(1723)ごろからの幕府の米価引き上げ政策に呼応して,10年紀伊国屋源兵衛,野村屋甚兵衛らと大坂米穀市場進出をはかり米会所を設置した。買米(かいまい)をおこない,幕府と密接な関係をもつ投機的商人として知られた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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