日本大百科全書(ニッポニカ) 「嬰嬬論」の意味・わかりやすい解説 嬰嬬論えいじゅろん 中国の小児科の医書。宋(そう)代の医者銭乙(せんいつ)(生没年不明、1035―1117の説がある)が著した。100編。亡失し、現存していない。銭乙の医学理論や臨床経験は、銭乙撰(せん)、閻孝忠(えんこうちゅう)(または季忠)編集の『小児薬証直訣(しょうにやくしょうちょくけつ)』から知ることができる。この書には、小児の脈証(みゃくしょう)治法・治病・医案・処方などが記載されている。銭乙は中国医史学上、小児科医としてもっとも著名な人である。[山本徳子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例