宇納郷
うなみごう
「和名抄」所載の郷。訓は元和古活字本に「宇奈美」、東急本に「古奈美」とある。また大伴家持作、布勢の水海に遊覧する賦一首に「宇奈比河波」がみえ(「万葉集」巻一七)、奈良時代における「宇奈比」の読みを伝える。諸本は宇奈比河を近世の八代庄内宇波村(現氷見市)を流れる宇波川にあてる点で一致しており、当郷を宇波や宇波川周辺を含む現氷見市北部に比定できる。「越中志徴」は宇奈比の語源を海辺(ウナビ)に求め、「大日本地名辞書」は「宇納」を「宇網」の誤りとみる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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