富士登山(読み)ふじとざん

世界大百科事典(旧版)内の富士登山の言及

【登山】より

… 日本は地形的にアルプスやピレネーに比して峻険でなく,近づきやすいことから山に対する親しみの心をもつとともに,山を神の座として敬う山岳信仰が発達し,とくに平安時代にはいると高野山や比叡山を中心に密教の修練場として山岳が選定され,出羽三山や大峰山,英彦山などは修験道の聖地とされた。伝承によれば古く701年(大宝1)の佐伯有若による立山の開山,さらに717年(養老1)泰澄和尚による白山の開山,勝道上人による782年(延暦1)の日光男体山の開山があり,1149年(久安5)には富士上人末代が富士登山を行ったことが《本朝世紀》にみえる。近世になると,1584年(天正12)富山城主佐々成政が雪のザラ峠を越えるなど戦略上の登山があり,加賀藩や尾張藩などの山林保護のための山回り,幕府の命令による諸国への採草登山などさまざまな山登りが行われた。…

【富士信仰】より

…明治時代になって,富士講は教派神道十三派の神道扶桑(ふそう)教,実行教,さらに丸山教の三つの教団に分かれたが,現在もなお富士登拝の習俗はつづけられている。
[富士登拝の習俗]
 富士登山の伝説では,役行者(えんのぎようじや)を最初とすることから,富士山に対する修験道の影響が深いことはたしかである。中世には富士道者による富士登拝が盛んであり,その姿は首に宝冠をかけ,結袈裟(ゆいげさ)をつけ,白装束に鈴,数珠,金剛杖を携えたという。…

※「富士登山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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