川原狂言(読み)こうばるきょうげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「川原狂言」の意味・わかりやすい解説

川原狂言
こうばるきょうげん

佐賀県藤津(ふじつ)郡太良(たら)町多良字上川原(かみこうばる)に伝わる一種の地芝居。「川原浮立(ふりゅう)」ともよばれるように、能狂言ではない。佐賀県には浮立を称する民俗芸能が多く、おおむね鉦(かね)、太鼓、鼓、笛などで囃(はや)し立てるものをさすが、川原狂言はこうした楽器の浮立曲にのって演ずる素朴な所作事で、現在『大江山鬼神退治』『船弁慶』『羅生門』『志賀団七仇討(あだうち)』の4演目がある。起源、由来などは不明ながら、ものとものを打ち合わせる棒踊から派生したのではないかともいわれている。上演は不定期で、農家の庭先でネコブク(籾(もみ)を乾燥する蓆(むしろ))を敷いて舞台とする。同様の狂言浮立は、大正ごろまでは隣接の鹿島(かしま)市内に二、三行われており、長崎市内に似たような「間の瀬(のせ)狂言」(猿浮立)が現在も伝わる。

[西角井正大]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む