帰国子女問題(読み)きこくしじょもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帰国子女問題」の意味・わかりやすい解説

帰国子女問題
きこくしじょもんだい

家族同伴で海外駐在をする日本人ビジネスマンの子女が,帰国後,おもに教育に関して直面するさまざまな問題。大きな原因は,日本国内の激烈な進学競争にある。このレースを乗切るためには,子女の長期海外滞在はむしろマイナスとなってしまう。また小学校における帰国時のいじめの問題,あるいは日本の文化・言語への不適応といった問題が生じている。こうした増大する帰国子女の問題に対処するため,国立大学付属小・中学校を中心に帰国子女教育学級が設けられたほか文部省 (現文部科学省) は帰国子女教育研究校や帰国子女受入れ推進地域を指定し,1989年度には東京都教育委員会が都立国際高校を新設した。一方,企業に対してもさまざまな対応が要請されている。ある企業では子育てが終った 45歳以上の社員を派遣する,海外駐在の期間を5年以内に限定する,あるいは日本に帰国しないで現地で進学した子女のいる社員には,逆単身赴任を認めるといった方向で対処しようとしている。

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