…それらの中には炭素のかわりにケイ(珪)素を主成分とし,砂を食べて砂に戻るような異色の生物も含まれており,それが知的生物であるのかどうかついにわからないまま物語は終わる。はたしてどういう生物を知的と認めるかという問題はその後のSFの重要なテーマとなっており,A.C.クラークは,《幼年期の終り》(1953)において,現代人が宇宙文明の中でまだ知的存在に達していないという,思い切った推論を展開した。またオールディスB.W.Aldissは《暗い光年》(1964)で,異なった知性への無理解が生み出す悲劇を扱っており,宇宙人の問題は知性をどうとらえるかという形而上学に発展している。…
※「幼年期の終り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」