岩石学辞典
「後退変成作用」の解説
後退変成作用
風化作用以外の原因で,変成岩がより低変成度の岩石に変化することで,一般に岩石が生成した時よりも低い温度で変成作用を受けること[Harker : 1932].火成岩起源の変成岩はすべて下降変成作用を受けたことになり,この意味で用いることもあるが,普通には変成岩が最高温度に達した後に引き続く温度降下で低温の変成岩になることをいう.岩石は累進変成作用が行われて高度の変成作用を受けた変成岩になると,脱水作用によって水などの揮発性成分が系から追い出されてしまい,その後の低度の変成作用を受けても簡単には変化しない.
下降変成作用は累進変成作用に比べると格段に起こりにくい.この変成作用には水の影響なども考えられるが風化作用などは含めない.英語には類似の表現があり,後退変成作用(regressive metamorphism)[Tyrrell : 1926, Schwartz & Todd : 1941],ダイアフトレシス(diaphthoresis),降温期変成作用(retrogressive metamoprhism)[Turner : 1938, Schwartz & Todd : 1941],レトロ変成作用(retrometamorphism)[Grubenmann & Niggli : 1924]などすべて同じ後退変成作用である.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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こうたいへんせいさよう
後退変成作用
retrograde metamorphism ,retrogressive metamorphism ,diaphthoresis
ある変成状態から温度が低下することで起こるサブソリダス条件下の再結晶作用。後退作用ともいう。一般に,比較的高温の広域変成岩あるいは変成岩岩体が地表へ向かい上昇する過程で発生し,冷却と減圧を伴う。温度低下を前提とするが,比較的高温の広域高圧・超高圧変成岩の変成温度圧力履歴における,冷却を伴わない場合(等温減圧や減圧加熱)の圧力降下による高圧・超高圧鉱物の分解反応に対しこの語が用いられる場合もある。
執筆者:辻森 樹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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