累進変成作用 (るいしんへんせいさよう)
progressive metamorphism
一つの変成帯では連続的に低温から高温の変成岩が分布している。これは変成帯の中で変成作用の温度条件が一定方向に向かって上昇しているためである。このような変成作用を累進変成作用という。累進変成作用は温度と圧力を軸としてとったグラフ上で一つの変成帯の温度・圧力の分布として示すことができる。つまり変成帯の各地点の変成岩の形成温度と圧力をプロットすれば累進変成作用を示すことになる。変成作用の物理的条件は変成帯の中で地域的に違っているので,累進変成作用の結果,一つの変成帯はいくつかの鉱物帯に分帯される。これを変成分帯という。累進変成作用を表す温度と圧力のグラフ上の曲線からいくつかの累進変成作用に分類することができる。これはまたその曲線がいくつかの変成相を横切ることから,変成帯の変成相系列を示すことにもなる。第1はヒスイ輝石-石英タイプ,第2はラン晶石-ケイ線石タイプ,第3は紅柱石-ケイ線石タイプの変成相系列で表される累進変成作用である。それぞれ高圧型変成帯,中圧型変成帯,低圧型変成帯でみられる変成作用である。
→変成帯
執筆者:鳥海 光弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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るいしんへんせいさよう
累進変成作用
progressive metamorphism
G.Barrow(1893)はScottish Highlandsの変成分帯の研究を行って,変成地域の鉱物による累帯は温度による累帯に対応すると考えて,温度上昇に伴って変成作用が進むことを累進変成作用と呼んだ。ある地域における低温部から高温部に至る変成温度の空間的変化は,同時代(あるいは同時刻)に起こった地殻の浅部から深部に至る変成度変化と見なすことができ,このような場合は温度-圧力図上で変成温度の上昇とともに変成圧力も上昇するフィールドP-T曲線が描かれ,ある特定の時期の変成地温勾配が得られる。熱源が明確な接触変成岩地域では,熱源に向かって低温から高温の変成岩に変化する累進変成作用が示される。累進変成作用で示される温度-圧力変化は,個々の変成岩が経験した変成温度.圧力条件の時間的変化(温度-圧力履歴)とは異なる。
執筆者:丸山 茂徳・小山内 康人
参照項目:後退変成作用
参照項目:昇温期変成作用
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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岩石学辞典
「累進変成作用」の解説
累進変成作用
温度の上昇に伴って行われる変成作用[Turner : 1938,渡辺編 : 1935].変成岩がその後引き続いた高度の変成作用によって別な変成岩に変化する作用をいい,変成作用の程度が次第に高くなる場合である.最後の変成作用で岩石がすべて改変されてしまえば,それ以前のことはわからなくなる.通常観察できる変成岩は個々の岩石の最高温度の状態を表すので,高温の変成岩が変成作用の初期に低温状態を経過したかどうかがわかるとは限らない.累進変成作用では一般に脱水反応を伴う[片山他 : 1970].変成帯の系列で形成される変成作用の程度が,変成の中心あるいは火成岩の接触部に向って強くなるような変成作用をいう.高変成度の地域の岩石は,低変成度の時期を通って順に高くなっている[Turner : 1938].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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