心臓・血管外傷

内科学 第10版 「心臓・血管外傷」の解説

心臓・血管外傷(循環器系の疾患)

 外傷によって発生する心臓・大血管損傷は,心臓や血管単独の損傷からほかの臓器に損傷を伴うものまで病態は多彩である.外傷により心臓のいずれの部分(心膜,心筋,心房・心室中隔,弁膜・乳頭筋・腱索,刺激伝導系,冠血管)も影響を受ける.暴力,スポーツ外傷,労働災害や自動車事故などにより損傷を受けるが,自動車事故死のおよそ25%が胸部外傷によるとされる(Wallら,2012).また,一方,心臓カーテル検査,ペースメーカ用カテーテル電極や心マッサージなどによる医原性心臓・血管外傷もまれでない.[岸田 浩]
■文献
Awtry EH, Colucci WS, et al: Tumors and trauma of the Heart. In: Harrison’s Principles of Internal Medicine, 18th ed(Fauci AS, Braunwald E, ed), pp1981-1982, McGraw-Hill, New York, 2012.
Maron BJ, Gohman TE, et al: Clinical profile and spectrum of commotio cordis. JAMA, 287: 1142-1146. 2002.
Wall MJ, Jr, Tsai PI, et al: Traumatic Heart Disease. In: Braunwald’s Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 9th ed(Bonow RO, Mann DL, et al ed),pp1672-1677, Saunders, Philadelphia, 2012.
山口大介,田中行夫,他:外傷性心疾患.循環器病学―基礎と臨床,初版(川名正敏,北風政史,他編),pp1314-1322,西村書店,東京,2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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