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外傷 ガイショウ

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デジタル大辞泉の解説

がい‐しょう〔グワイシヤウ〕【外傷】

体外から加えられた力によってできた傷。打撲による損傷など。広くは放射線・熱・寒冷などによる皮膚の傷害や骨折・内臓破裂なども含めていう。

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百科事典マイペディアの解説

外傷【がいしょう】

外力によって起こる身体の損傷。外力には機械的なもののほか熱,電気,薬物,放射線などがある。体表の欠損を伴う開放性損傷(創傷)では細菌感染のおそれが多く,非開放性損傷では深部の損傷がしばしば見のがされる。

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栄養・生化学辞典の解説

外傷

 →創傷

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大辞林 第三版の解説

がいしょう【外傷】

外力によってうけた傷きず。切り傷・打撲傷・火傷やけどなど。骨折や内臓破裂も含む。けが。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外傷
がいしょう
trauma

外力によって身体の一部に生じた障害をいい、俗に「けが」といわれる。障害の状態を表すことばに「きず(創・傷)」があり、一般に創は身体の外表を覆う皮膚や粘膜などが口をあけた開放性のきずに、傷は皮下の組織が損傷された非開放性のきずに用いる。また、骨の折損を骨折、関節をつくる靭帯(じんたい)や軟部組織の障害を捻挫(ねんざ)(くじき)、骨が関節から外れることを脱臼(だっきゅう)という。さらに外力には、形のある硬い物(金属、石、木など)による機械的外力、熱、寒冷、電気、放射線などによる物理的外力、化学薬品、重金属、酸、アルカリなどによる化学的外力があり、それぞれによっておきた障害を機械的損傷(外傷)、熱傷や火傷(やけど)、凍傷、凍瘡(とうそう)(しもやけ)、電撃傷、放射線障害、化学的損傷などとよぶが、外傷は狭義には機械的損傷だけをさし、広義には物理・化学的外力によるものも含める。
 外傷を受けると、生体は局所的、全身的症状を現す。痛み、出血、腫(は)れ、化膿(かのう)などがおもな局所症状で、出血の強い創は止血の救急処置が必要となり、開放創では化膿の予防がたいせつである。全身症状としては交感神経・アドレナリン系と下垂体・副腎(ふくじん)皮質系を主とする内分泌系の反応がおこり、生命や身体の恒常性を維持しようとする。これを汎(はん)適応症候群という。外力の侵襲が強すぎるとショックを引き起こす。ショックはなんらかの原因で全身の血液循環が悪くなった状態で、外傷によるものを外傷性ショックという。症状は顔面蒼白(そうはく)、冷や汗、なまあくびなどで、周囲に無関心となり、呼吸は浅く頻回で、脈が弱く、体温が下がる。ショックには一次性ショックと二次性ショックがある。一次性ショックは急激な精神的、神経的衝撃でおこるもので、多くは短時間で回復するが、安静、保温、気道の確保などの適切な処置がなされないと死亡することがある。外傷性二次性ショックの原因は、失血、細菌感染、心臓損傷などによるものが多く、生命の危険が高い。
 きずは再生か治癒の機転で治る。再生は元の組織で修復されるもので、表皮、粘膜、末梢(まっしょう)神経、骨、肝臓でみられる。他の臓器組織では線維性結合組織で置き換えられる治癒という形で修復される。治癒の過程は浸出期、増殖期、成熟期に分けられる。治癒の過程を早くすることはできないが、治りの妨げになる因子(異物、感染、壊死(えし)物質など)を除去したり、開いたきず口を縫い合わせたりして、治癒が遅れるのを防ぐことができる。治癒期間は皮膚でおよそ1、2週間、骨で1、2か月である。
 創傷は発生機序によって次のように分類される。(1)切創(切りきず) 鋭利な刃物で切られたきず。(2)割創(割りきず) 斧(おの)などの鈍い刃物でたたき切られたきず。(3)挫創(ざそう) 鈍性の器物が強く作用してできるきず。(4)挫傷・打撲傷(打ち身) 皮膚にきずがなく、皮下や軟部組織が障害されたもの。(5)刺創(刺しきず) 針、釘(くぎ)、錐(きり)、ナイフなど、とがったもので刺されたきず。(6)擦過創 接線状に外力が作用して損傷が皮下の組織まで及んだきず。(7)擦過傷(擦りきず) 擦過創の軽いもので、皮膚だけのきず。(8)裂創(裂ききず) 猛獣の牙(きば)やつめ、機械など強い力で引き裂かれたもの。(9)咬創(こうそう)(かみきず) 動物にかまれてできるきずで、化膿しやすい。(10)掻爬創(そうはそう)(ひっかききず) 動物のつめなどでひっかかれたもの。(11)圧潰創(あっかいそう) コンクリート塀、立ち木、家屋などが倒れて押しつぶされたもの。(12)絞扼創(こうやくそう) 細紐(ほそひも)、リング、ゴム紐などで絞められ、末梢部のうっ血、壊死をおこしたもの。(13)射創 銃弾の通過によってできるもの。(14)爆創 火薬、ガス、蒸気などの爆発によっておこるもの。(15)機械創 機械やベルトに挟まれてできるきず。(16)破裂創 充実性臓器(肝、腎(じん)、膵(すい)など)、管腔(かんくう)臓器(胃、腸、膀胱(ぼうこう)など)の破裂したもの。(17)轢過創(れきかそう) 汽車、電車などの車輪にひかれてできるきず。(18)縛創 縄、ベルトなどの比較的太いもので縛り付けられてできるきず、などである。
 また、細菌感染の有無により感染創と非感染創に、受傷後の経過時間により新鮮創と陳旧創に分ける。
 創傷のでき方は、外力の種類、作用方向、作用時間などで特徴があるため、創傷の状態から受傷の状況や時間の推定が可能であり、法医学に応用される。さらに受傷対象によって災害外傷、交通外傷、スポーツ外傷、手術創、戦傷などとよぶが、これらは時代的背景、社会的背景を反映し、現在の日本では交通外傷が急増している。抗生物質の発達、外科学の進歩、救急体制の整備によって救命率やきずの治りはよくなったが、機械文明の発達は複雑かつ重症の外傷を発生させ、救命しえても後遺症に悩む事例が増えており、機能訓練や社会復帰のよりいっそうの充実が望まれる。
 以下、部位別外傷について述べる。[荒木京二郎]

頭部外傷

頭部(ずぶ)外傷ともいい、脳(大脳、小脳、延髄)の損傷が重要である。古くは戦傷、転落事故での発生が多かったが、近年は交通事故によるものが多い。脳損傷は、単純型(無症状)、脳しんとう型(一過性意識障害があり、短時日で治癒する)、脳挫傷型(受傷直後から頭痛、嘔吐(おうと)、けいれんなどの脳局所症状や意識障害を呈する)、頭蓋(とうがい)内出血型(受傷後ある時間経過してから意識障害や脳局所症状が現れる)に分けられる。脳外科学の進歩によって助かる人、治る人は増えたが、外傷性てんかんや麻痺(まひ)などの後遺症、人間的活動がまったくできなくなった場合などの問題が残されている。[荒木京二郎]

胸部外傷

胸部には、肋骨(ろっこつ)などでできた胸郭で保護されて生命維持に重要な肺、気道、心臓などがある。もっとも多い肋骨骨折では生命にかかわることはほとんどないが、肺損傷や胸郭損傷による呼吸障害、心臓損傷の処置は最緊急を要し、生命の危険が高い。気道の確保と人工的補助呼吸療法の発達によって、呼吸障害による死亡は減少している。[荒木京二郎]

腹部外傷

複数の臓器損傷が多く、また体表にきずがなくて症状が遅れて出ることがあるため、経過観察が重要である。症状は腹痛、嘔吐、吐血、血尿のほかに、肝、脾(ひ)、腎などの充実性臓器から出血すると早期に失血性ショックに陥り、胃、小腸、大腸、直腸などの消化管損傷では細菌性の汎発(はんぱつ)性腹膜炎を、また膵臓は強い消化酵素により、膀胱破裂は尿浸潤により腹膜炎を発症する。外科学、とくに栄養管理法の進歩により救命率はよくなってきた。[荒木京二郎]

四肢外傷

切創、打撲傷、擦過傷、骨折、脱臼が多く、生命にかかわることは少ないが、関節の機能障害は日常生活を著しく制限するので、関節機能を保持することが重要である。一般に関節内や関節近くの損傷は、手術的に整復して早期に機能訓練を始める。また、微小血管外科の進歩により、切断された指や足指の再接着が可能となった。[荒木京二郎]

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世界大百科事典内の外傷の言及

【傷】より

…損傷の原因となる外力には,(1)刃物,鈍器,銃器,車輪などの機械的なもののほかに,(2)酸,アルカリ,毒ガスなどの化学的なもの,(3)温熱,寒冷の熱的なもの(やけど凍傷),(4)電流(電撃傷),(5)日光,紫外線,(6)放射線(放射線障害)などがある。これらのうちで最も多く経験されるのは機械的な外力による損傷(機械的損傷)であり,この機械的損傷が外傷traumaや創傷wound,あるいは〈きず〉〈けが〉にほぼ相当する。外傷も創傷も,損傷の開放性,非開放性のいかんを問わず用いられるが,創傷の場合,〈創〉の1字だけだと開放性機械的損傷(たとえば切創,刺創,射創など)を,〈傷〉の1字だけだと非開放性機械的損傷(たとえば打撲傷など)を意味する。…

【心的外傷】より

…精神分析の用語で,たんに〈外傷trauma〉と略して用いることもある。外科的な外傷の概念を精神の領域に比喩的に転用したもの。…

※「外傷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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