忍過(読み)しのびすぐす

精選版 日本国語大辞典 「忍過」の意味・読み・例文・類語

しのび‐すぐ・す【忍過】

〘他サ四〙
自分の胸ひとつに収めて、人に知られないようにしてすごす。隠したままですごす。
源氏(1001‐14頃)夕顔「みづからしのびすぐし給ひしことを、亡き御うしろに、口さがなくやはと思ふ給ふばかりになん」
② 苦しさなどをたえしのんですごす。がまんして日を送る。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「世の中さびしく、思はずなる事ありとも、しのびすぐし給へ」
③ 人に隠れしのんで日を送る。人目を避けてすごす。
※高野本平家(13C前)九「もし不思議にこの世をしのひすくすとも、心にまかせぬ世のならひは、思はぬほかの不思議もあるぞとよ」

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