普及版 字通 「戔」の読み・字形・画数・意味
戔
8画
[字訓] そこなう・すくない
[説文解字]
[字形] 会意
戈(か)+戈。両戈の象で、相戦うことをいう。〔説文〕十二下に「(そこ)なふなり」とあって、相残賊する意。戰(戦)は單(単。盾の象形)と戈とに従い、戔は両戈相接することをいう。(闘)の初文は鬥で、手で格闘する形。のち(たく)を加えるが、は盾と斤(斧鉞(ふえつ))の形である。
[訓義]
1. そこなう、多くそこなう。
2. やぶる、つきやぶる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕戔 オホシ・ツモル・ヲサム・アタ・イタム 〔立〕戔 イタム・ウチハラフ・ヌスヒト・ツモル・ヒト・ケヅル・ヌク
[声系]
〔説文〕に戔声として踐(践)・殘(残)・箋・棧(桟)・賤・淺(浅)・綫・錢(銭)など十九字を収める。おおむね薄小、また薄小のものを重ねる意をもつ字である。
[語系]
戔・・殘dzanは同声。(さん)は残。禽獣の食するところの余りを(ざん)という。財貨においては薄小のものを賤dzianといい、水には淺tsianという。錢tzianは銭貨。みな戔の声義を承ける語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報