戻・悖(読み)もとる

精選版 日本国語大辞典 「戻・悖」の意味・読み・例文・類語

もと・る【戻・悖】

(「もどる」とも。「もどる(戻)」と同語源)
[1] 〘自ラ五(四)〙
道理にそむく。反する。たがう。
書紀(720)継体二四年一〇月(前田本訓)「毛野の臣人と為(な)り傲(モトリ)(いすか)して治体を閑(なら)はず」
随筆独寝(1724頃)上「すべての道、古へに悖る事有べからず」
② ねじれる。ゆがむ。まがる。
霊異記(810‐824)上「脣醜く、鼻平み、手脚繚戻(モトリ)て、眼目角(すがめ)になるべし〈興福寺本訓釈 繚戻 上礼于反下来反 二合毛止利天〉」
[2] 〘他ラ四〙 ねじる。ゆがませる。まげる。
※霊異記(810‐824)中「故(ことさら)に己が口を戻(モトリ)て、効(まね)び言ひて曰く〈国会図書館本訓釈 戻 モトリテ〉」

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