改訂新版 世界大百科事典 「新韓公社」の意味・わかりやすい解説
新韓公社 (しんかんこうしゃ)
1945年,日本の植民地支配から解放された南朝鮮において東洋拓殖株式会社(東拓)等所有の土地その他財産を継承・管理したアメリカ軍政庁の一機関。同年11月,東拓を改称して発足し,46年2月の政令により独立の会社となったが,実質的には一貫してアメリカ軍政庁の直轄機関であった。東拓所有地を中心に旧日本人等所有地の地主経営を行い,その耕地面積は南朝鮮全体の13%に相当する28万町歩,小作農家戸数は南朝鮮総農家数の27%に相当する55万戸に及んだ。48年3月の政令により新韓公社の所有地・管理地を農民に払い下げる機関として中央土地行政処が設置され,公社は全財産を行政処に移管して解散した。
執筆者:金子 文夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報