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公企業の一種である公共企業体をさす、日本での具体的名称。かつては日本国有鉄道、日本電信電話公社、日本専売公社の三公社であったが、1985年(昭和60)電々公社、専売公社、87年国鉄が民営化された。鉄道輸送、電信電話、専売の各事業は、長い間官営事業の形態で行政組織の一環として(変遷はあるが、鉄道省、逓信(ていしん)省、大蔵省専売局など)経営されてきた。これらのサービス性と能率を向上させるため、1948年(昭和23)のマッカーサー書簡に基づき、国とは別の法人で独立採算の経営原則にたつ公共企業体を設け、公社の名のもとに運営されることになった。資本の全額を国が出資し、理事会もしくは経営委員会という管理機関が置かれ、総裁、副総裁、理事が経営にあたるが、一般法人の総会に相当する機関はなかった。財務面は独立採算制であるが、予算・決算は国の予算・決算に準ずる取扱いを受け、この面の自主性は低かった。労働関係面では公務員や民間労働者のいずれとも異なり、公共企業体等労働関係法の適用を受け、職員の団結権と団体交渉権はあったが、争議権はなかった。一般に日本の旧三公社は、経営者の任免や主要財産の処分など重要事項の決定が国に留保されていたため、なお政治・行政・財政の制約を強く受け、公共企業体の本来の姿に比べて、経営上の自主性はそれほど高くなかった。これら三公社以外に、連合国軍人等住宅公社(1950~52)、特別鉱害復旧公社(1950~58)、原子燃料公社(1956~67)があったが、前二者は廃止され、最後のものは動力炉・核燃料開発事業団に、さらに98年(平成10)核燃料サイクル開発機構、2005年日本原子力研究開発機構に改組された。なお、住宅供給公社のように、地方公共団体によって設立された地方公社が現存している。
[森本三男]
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…これには,国民金融公庫,住宅金融公庫,農林漁業金融公庫,中小企業金融公庫,日本輸出入銀行,日本開発銀行などの公庫および銀行,住宅・都市整備公団,日本道路公団,水資源開発公団,日本鉄道建設公団,新東京国際空港公団,本州四国連絡橋公団などの公団および各種の事業団がある(事業団については,政府の補助金を支出する機関としての性格をもっているものも多く,公企業に含めるかどうかについては異論がある)。これらのうち,公庫はいずれも政府が100%出資している法人であり,公団は政府や自治体および公社が共同出資している法人である。これらの公共法人は,企業として,政府から独立してはいるが,人事・財務等で法的に公的規制を受け,その独立性も制限されている。…
…争議権も,警官,消防士,刑務官,非現業職員や裁判官などを除き,現業職員には認められ(労働関係調整法旧38条),労働協約の締結を伴う団体交渉権(団交権)も認められていた。ここにいう現業の概念は,現在の四現業とは異なり,その後の三公社や官庁の研究所などの機能をも含む広い意味のものであった。この労働基本権の状況は,鉄道事業,郵政事業などの領域に組織された現業官庁労組を,戦後の労働攻勢の主力部隊へと押し上げた。…
…その法律上の定義は〈法律により直接に設立される法人または特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人〉(総務庁設置法4条11号)とされている。前者はいわゆる三公社(1984年末現在)であり,後者は公団・事業団その他であるが,後者の場合,政府の任命する設立委員による設立行為がメルクマールとされる。いわば,政府の手による強制設立の法人を指す。…
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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