知恵蔵 「暗殺教室」の解説
暗殺教室
ストーリーは、進学校である椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス「エンドのE組」こと3年E組に超生物“殺(ころ)せんせー”が担任として赴任したことから始まる。防衛省の人間に伴われてやってきた殺せんせーは、来年の3月に地球を爆発させると言う。政府はE組に、成功報酬100億円で殺せんせーの暗殺を依頼する、というもの。
殺せんせーに関する情報を把握しているのは、政界のトップと各国の首脳陣など、ごく一部であり、生徒は殺せんせーの存在や暗殺に携わっていることを、口外してはいけないルールになっている。また、殺せんせーは、3年E組の生徒に危害を加えてはいけない。
生徒全員が暗殺者で、標的である殺せんせーから指導を受けるというおかしな状況において、「落ちこぼればかりのため、学校中から差別された底辺学級」という認識だった生徒たちが、殺せんせーとの関わりにより、物事に積極的に取り組む姿勢を見せるようになる。
主要な生徒は、複雑な家庭の事情を抱える男子・潮田渚、渚の親友の1人でいたずら好きな男子・赤羽業、“殺せんせー”というあだ名をつけた女子・茅野カエデなど。
テレビアニメは15年1月からフジテレビ系でスタートし、6月で終了した。羽住英一郎監督による実写版の映画は、同年3月に公開され、渚役の山田涼介(Hey! Say! JUMP)が主演を務め、殺せんせーの声は二宮和也(嵐)が担当した。続編となる劇場版2作目「暗殺教室~卒業編~」(同監督)は16年3月に公開予定。
同じ松井の作品には『魔人探偵脳噛ネウロ』(まじんたんていのうがみネウロ)があり(05年~09年)、時事ネタやパロディーを盛り込んだ破天荒な設定は、『暗殺教室』に通じるものがある。
(若林朋子 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報