精選版 日本国語大辞典 「中学校」の意味・読み・例文・類語
ちゅう‐がっこう ‥ガクカウ【中学校】
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小学校のあとに続く、前期中等教育を施す学校。1947年(昭和22)学校教育法の制定により、新学制下の中学校が誕生した。「中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育を施すことを目的とする」(学校教育法45条)。旧制中学校と比較して新制公立中学校の特徴を述べれば次のようである。
(1)小学校に接続するという点では同じであるが、義務教育学校としてすべての者が就学する、(2)男女共学である、(3)授業料が不要である、(4)初等普通教育(小学校)と高等普通教育(高等学校)の中間に位置して中等普通教育を施すが、「職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養う」(同法21条)共通教育学校である、(5)三年制の前期中等教育である、(6)一校一学区制により無試験入学制である。
第二次世界大戦の焦土のうえに、戦前に対応する施設もなく(旧制中学は、戦後は新制高校に昇格した)、まったくのゼロから出発することになったため、他施設への間借り状態が続き、非生産的な共通教育の撤廃の要望も強かった。しかし、たゆまない国民的努力によって定着し、高等学校大衆化の制度的基盤となった。中学校の設置者別比率は2008年(平成20)現在、学校数で、国立0.7%、公立92.6%、私立6.7%である。
制度的には安定しているかにみえる中学校も、その内実は深刻な問題を抱えている。校内暴力や非行の問題、いわゆる落ちこぼれやいじめ、無気力の蔓延(まんえん)などの問題である。これらの問題の背景には、現代日本の精神的風潮、文化的傾向、社会経済構造の変化、家庭・家族や環境の変化など教育外的条件が複雑に絡まりながら存在している。しかし、教育内的要因がないわけではない。とくに中学校教育に直結している要因は、第一に、高等学校の種別化・多様化と、それに応じた選抜試験の激化、第二に、学習指導要領の拘束性の強化や学校管理とその秩序維持に伴う学校および教員・生徒の自発性・自主性の減退である。
中学生たちが基礎学力をしっかりと身につけ、社会的感受性を身につけた有為な市民に育っていくためには、中学校は現在よりもはるかに時間的、物的、人的、そしてなによりも精神的ゆとりを取り戻す必要がある。そのためには教育体系全体の見直しが必要であるが、先にも述べたように、とくに受験教育を除去し、生徒の自主性、自発性に大幅な活動の場面を与えることが肝要である。
1998年(平成10)の学校教育法一部改正により、1999年に中学校・高等学校の前・後期中等教育をあわせた中高一貫教育を施す公立の「中等教育学校」が発足した。中高一貫教育を行う学校は、中学生の「ゆとり」を取り戻すことを目的としているため、高等学校進学時の試験制度が実施されない。しかし、一方では小学校卒業時の学校制度の選択肢が増えることになるため、なんらかの選抜は避けられず、受験競争の低年齢化や受験エリート校化につながるおそれがある。中学生ばかりでなく、人間はその時期に固有のやり方で常時充実していることが最良の学習のための基盤となる。それを可能にする中学校の再創造が今日ほど要請されている時はない。
[桑原敏明]
『山内太郎編『現代中学校教育大系1 基本問題』(1965・明治図書出版)』▽『三羽光彦著『六・三・三制の成立』(1999・法律文化社)』
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第2次大戦前の旧制中学校と,戦後の1947年(昭和22)に発足した新制中学校があり,両者は性格・機能ともに大きく異なる。(1)旧制中学校は高等普通教育を目的とした男子中等教育機関。1886年(明治19)の中学校令により,2年制の官立の高等中学校(94年に高等学校と改称)と,府県立の5年制尋常中学校(99年に中学校と改称)の2段階にわかれ,99年の中学校令改正により,中学校は「男子ニ須要ナル高等普通教育」を目的とする5年制の学校となった。1943年(昭和18)には高等女学校・実業学校と制度上統一され,修業年限は4年となり,そのほとんどが48年発足の新制高校に改編された。(2)新制中学校は学校教育法により中等普通教育を目的とする3年制の義務教育機関で,47年4月発足。その前身の多くは国民学校高等科や青年学校であり,旧制中学校との連続性は少ない。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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