木村病

内科学 第10版 「木村病」の解説

木村病(その他のリンパ増殖性疾患)

(2)木村病
 アジア出身の若年男性に比較的多い,原因不明でまれな慢性炎症性疾患であり,通常全身症状を伴わずに,おもに頸部の数cm大の皮下腫瘤を呈し,過半数の症例では所属リンパ節腫脹を伴う.病理学的には反応性の濾胞過形成と著しい好酸球の増生が特徴的である.形質細胞や血管の増生も目立ち,胚中心にはIgEが沈着している.末梢血でも好酸球増加を呈し,IgEとIL-5が高値となることが多い.皮下腫瘤/リンパ節の腫脹は消長を繰り返すことが多く,予後は良好で死亡することはない.[塚崎邦弘]
■文献
Dispenzieri A, Pittaluga S, et al: Diagnosis and management of disorders that can mimic lymphoma. In: Non-Hodgkin Lymphoma, 2nd ed (Armitage JO, Mauch PM, et al eds), pp 557-585, Lippincott Williams & wilkins, Philadelphia, 2009.
正木康史,梅原久範:IgG4関連疾患-新たな疾患概念-.臨床血液,52: 315-321,2011.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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