内科学 第10版 「末梢神経疾患の特徴」の解説
末梢神経疾患の特徴((末梢)神経、筋疾患の特徴)
運動症候としての筋力低下とともに感覚障害を伴うのが特徴である.感覚障害はぴりぴり感,痛みなどの自覚症状から,感覚の低下・消失までさまざまの状態を示す.腱反射は低下~消失する.単ニューロパチー,多発単ニューロパチー,多発ニューロパチーのタイプに分けられる(図15-2-1).
①単ニューロパチー(mononeuropathy)は,単一の神経が通常絞扼性に障害されて生じる.手根管症候群,肘部管症候群,腓骨神経麻痺などがある.②多発単ニューロパチー(mononeuropathy multiplex)は,末梢神経が不規則かつ多巣性に障害されて生じる.原因は通常血管炎であり,感覚障害は末梢神経の支配域に一致せず,かつ障害部位と正常部の境界が明瞭であるのが特徴である.③多発ニューロパチー(polyneuropathy)は,四肢遠位部優位の筋力低下と感覚障害(手袋靴下型)を呈し,代謝性疾患,中毒性疾患,遺伝性疾患などで生じる.[中野今治]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報