東京五輪エンブレム問題

共同通信ニュース用語解説 「東京五輪エンブレム問題」の解説

東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題

昨年7月24日に発表された佐野研二郎さの・けんじろう氏デザインのエンブレムベルギーの劇場ロゴに似ていると指摘され、劇場側が使用差し止めを求めて提訴した。佐野氏盗用を否定したが、別のキャンペーン賞品で模倣が発覚するなど疑惑拡大。イメージ低下を懸念した大会組織委員会は白紙撤回を決め、公募で新たなエンブレムの選考に着手した。応募資格を大幅に緩和したことで昨年12月の締め切りまでに1万4599作品の応募があり、エンブレム委員会が最終候補を絞り込んだ。

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知恵蔵 「東京五輪エンブレム問題」の解説

東京五輪エンブレム問題

2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムを巡る騒動。15年7月24日、アートディレクター佐野研二郎がデザインしたエンブレムが採用された。しかし発表後まもなく、インターネット上でベルギー「リエージュ劇場」のロゴマークと似ていると話題になり、更に過去に佐野がデザインしたサントリーのキャンペーン賞品(トートバッグ)にも盗作疑惑が持ち上がった。佐野は30種のうち8種のデザイン模倣を認め謝罪したが、五輪エンブレムの模倣疑惑については当初から全面否定していたため、「五輪組織委員会」もいったんは佐野デザインのエンブレム使用継続を表明した。
盗作疑惑問題が拡大する中も、五輪エンブレムに関しては、広告業界のデザイナーからは佐野を援護する声が多く、知的財産権の専門家からも著作権侵害には該当しない旨の意見が強かった。しかし、エンブレム決定までの経緯説明の中で発表された佐野の原案デザインが「ヤン・ヒチョルト展」(13年開催)のポスターなどのデザインと酷似しているとネット上で指摘されると、エンブレムを巡る騒動は更に過熱した。9月1日に、「五輪組織委員会」は佐野から取り下げの申し出を受けたこともあり、一般国民の理解を得られないことを理由にデザインの白紙撤回を発表した。選定過程の不透明性や組織委員会の責任の曖昧さなどが指摘されたことを受け、新しい公式エンブレムは透明性の高い公募と幅広い分野の審査委員によって、16年春までに選定される予定。なお、エンブレムの知的財産権はIOC(国際オリンピック委員会)が所有しており、商業利用は契約したスポンサー企業だけに認められている。

(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)

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