朝日日本歴史人物事典 「松原右仲」の解説
松原右仲
江戸後期の儒学者。備中国(岡山県)松山藩の藩儒。器用かつ多才で画を善くし,オルレリイ(太陽系儀)を製作するなど蘭学にも通じた。前野良沢 に師事。司馬江漢と同様に寛政年間(1789~1801)から銅版を製したとされる。銅版遺作は「羊飼」の絵と,「万国輿地全図」と称するロシア文字および国字訳地名の入った東西両半球世界図(文化期初期に作製)。また文化4(1807)年に大槻玄沢が編纂した『環海異聞』(仙台のロシア帰還漂流民の海外見聞録を学術的に編集)の115の挿絵を担当し,仙台藩から謝礼を受けた。<参考文献>岡村千曳『紅毛文化史話』
(吉田厚子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報