松王健児(読み)まつおう・こんでい

朝日日本歴史人物事典 「松王健児」の解説

松王健児

平清盛の兵庫港築島(または経が島,神戸市兵庫区島上)造成に当たって,海の竜神をなだめ鎮めるため人柱となった伝説上の若者。応保1(1161)年清盛は,造成を妨害する竜神をなだめるためには30人の人柱が必要だとの卦にしたがい,関所を設けて往来の人を捕らえたが,松王健児は自らすすんで30人の身代わりとなって入水し,その心に竜神も感応したのか,ようやく島が完成する。同市にある来迎寺にはその冥福を祈って建てられたという五輪塔が現存する。<参考文献>『摂津名所図会』,柳田国男「松王健児の物語」(『民族』1927年1月号)

(小松和彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松王健児」の解説

松王健児 まつおうこんでい

平安時代後期の伝承上の少年
松王児童(こでい),松王丸ともいう。応保元年(1161)平清盛の兵庫港築島(つきしま)(経ケ島)造成のとき,竜神をしずめるための人柱となった。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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