…以後,勅撰和歌集を中心とする宮廷和歌の世界でこの傾向が増幅され,平安末期には〈人丸影供(ひとまるえいぐ)〉という,人麻呂の肖像をかかげ香華,供物をそなえての歌会も行われた。鎌倉期以降の有心連歌(うしんれんが)の衆が無心連歌に対して〈柿の本〉と称したのは,優雅を本旨とする和歌の本宗として人麻呂を見ていたからだが,こうした堂上歌人の人麻呂受容はその詩的本質からはるかに遠ざかるもので,勅撰集,私撰集にとられた〈人丸〉作の多くは《万葉集》に典拠を持たない非人麻呂的な歌であった。おそらく〈和歌〉を宮廷の晴れの文学として聖化してゆく風潮が,最初の宮廷詩人たる人麻呂の像を肥大,転轍させていったものとみえる。…
※「柿の本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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