橘成員(読み)たちばな なりかず

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘成員」の解説

橘成員 たちばな-なりかず

?-? 江戸時代前期の国学者
延宝6年(1678)「仮名字例」をあらわす。元禄(げんろく)9年「倭字古今通例全書」を刊行し,契沖(けいちゅう)の「和字正濫鈔」を批判した。字(あざな)は仲宇。号は貉睡堂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の橘成員の言及

【仮名遣い】より


[契沖仮名遣い]
 江戸時代に入って古い伝統に対する自由な討究の学風が起こり,僧契沖は《万葉集》の研究によってその仮名使用に統一あることを知り,江戸時代のアクセントによっては統一的説明が不可能になっていた定家仮名遣いを不合理なものと断定して,《万葉集》を中心とする古代の仮名用法に従うべきであるとして,みずから《万葉代匠記》に用い,後に《和字正濫鈔(わじしようらんしよう)》(1695),《和字正濫通妨抄(つうぼうしよう)》(1697稿),《和字正濫要略》(1698稿)を著して世に広めた。橘成員が《倭字古今通例全書(わじここんつうれいぜんしよ)》を著してこれに反対したが,論拠が弱く,国学者はこれを相手とせず契沖の説を用い,契沖の説を補って《古言梯(こげんてい)》(楫取魚彦(かとりなひこ)著)が刊行された。《古言梯》はすべて古典に根拠を求めて実例を示したので,契沖の説を奉ずる国学者の間に大いに広まった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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