機動警察パトレイバー(読み)きどうけいさつぱとれいばー

知恵蔵 「機動警察パトレイバー」の解説

機動警察パトレイバー

クリエイターユニット「ヘッドギア」による、メディアミックスの総称。マンガ、アニメ、映画、小説など幅広い展開を見せている。「ヘッドギア」のメンバーはマンガ家のゆうきまさみ、アニメクリエイターの出渕裕、脚本家の伊藤和典、イラストレーターの高田明美、映画監督の押井守の5人で、この作品のために結成された。
マンガは1988年から94年まで「週刊少年サンデー」(小学館)で連載。マンガに続き、88~89年には押井守の監督によってオリジナルビデオアニメ化がなされ、89年から90年にかけてテレビアニメも放送された。更に89年、93年、2002年にアニメ映画化され、ノベライズ小説やオリジナル小説も発売された。
物語の舞台は、作品当時から見て近未来の東京。多発する、汎用(はんよう)人間型作業機械「レイバー」を悪用した犯罪に対し、警視庁内に設置された「特科車両二課パトロールレイバー中隊」通称パトレイバーが活躍する様を描いた。様々に絡んだ伏線が最終的に収束していく展開や、人間ドラマなどもあり、単なるロボットマンガではない作風で人気となった。メディアによって設定や雰囲気が異なるのも魅力となっている。
2013年、短編全13話7章と長編からなる実写映画「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」の制作発表が行われ、再び話題となった。監督は押井守。短編は14年4月から順次イベント上映される予定で、長編は15年に全国公開予定。主演は泉野明(いずみのあきら)役の真野恵里菜、後藤田継次(ごとうだけいじ)役の筧利夫など。オリジナルストーリーで、マンガ・アニメで活躍した隊員たちの後継世代が主人公となっている。キャラクター名も、真野が演じる泉野明は原作では同じ漢字で「いずみのあ」、筧が演じる後藤田も原作では後藤喜一であるなど、変更がなされている。また、映画のために、実寸大の全長8メートルの「パトレイバー」98式イングラムも制作された。実物大イングラムは、搭載車両と共に、3月22日・23日の東京ビッグサイトで開催される「AnimeJapan 2014」で一般初公開予定。

(富岡亜紀子  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「機動警察パトレイバー」の解説

機動警察パトレイバー

クリエイターユニット「ヘッドギア」の企画・原作による、マンガ、アニメ、小説など一連のメディアミックス作品の総称。「ヘッドギア」は本作のために結成されており、メンバーは、ゆうきまさみ(マンガ家)、出渕裕(アニメクリエイター)、伊藤和典(脚本家)、高田明美(イラストレーター)、押井守(映画監督)の5人。汎用人間型作業機械「レイバー」を悪用した犯罪が多発する近未来の東京を舞台に、レイバー犯罪に対処するため警視庁内に設置された「特科車両二課パトロールレイバー中隊」、通称パトレイバーの活躍を描く。1988年に「週刊少年サンデー」(小学館)でマンガの連載がスタートし、その後、アニメや小説などの作品が発表された。2013年には、短編 (全12話) と長編からなる実写作品「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」の製作が発表され、短編は14年4月から順次イベント上映、長編は15年の全国公開が予定されている。

(2013-9-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「機動警察パトレイバー」の解説

機動警察パトレイバー

①ゆうきまさみによる漫画作品。近未来の東京を舞台に、コンピュータ犯罪を解明していく警察の活躍を描く。『週刊少年サンデー』1988年第17号~1994年第23号に連載。小学館少年サンデーコミックス全22巻。第36回(1990年度)小学館漫画賞 少年部門受賞。1989年と1993年に押井守監督、2002年には遠藤卓司監督、高山文彦総監督による劇場用アニメが公開された。
②①を原作とした日本のテレビアニメ。放映は日本テレビ系列(1989年10月~1990年9月)。制作:サンライズ。声の出演:冨永みーなほか。近未来の東京を舞台にしたSFアニメ。1988~1989年に制作されたOVA作品のテレビシリーズ版で、高い人気を得た。

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