正規部分群(読み)せいきぶぶんぐん(その他表記)normal subgroup

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正規部分群」の意味・わかりやすい解説

正規部分群
せいきぶぶんぐん
normal subgroup

不変部分群ともいう。群 G の部分群を N とするとき,N共役な部分群がすべて N と一致すれば,N は群 G の正規部分群であるという。すなわち,G の任意の元 x に対して,x-1NxN という性質をもつ部分群 N のことである。あるいは,任意の aNxG に対して,x-1axN が成り立つ場合といってもよい。このとき axxa となるから,任意の元を含む右剰余類と左剰余類はすべて一致する (→剰余類 ) 。たとえばアーベル群 (加群) では,常に axxa であるから,右剰余類と左剰余類は一致する。アーベル群の部分群は,常に正規部分群である。また群 G の部分群である交換子群も G の正規部分群になる。

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世界大百科事典(旧版)内の正規部分群の言及

【群】より

…ガロアはさらに進んで,多項式の群(今日の言葉でいうガロア群)を考え,また,根をつけた体やその中間体も定義して,ガロア群の構造と中間体との関係を解明した。また,後に述べる正規部分群を定義したのもガロアであり,このガロアの研究が群論の始まりといえる。ガロアの理論は,1870年に出版されたC.ジョルダンの著書に詳しく紹介されている。…

※「正規部分群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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