沖ことば(読み)おきことば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖ことば」の意味・わかりやすい解説

沖ことば
おきことば

漁師や船乗りが海上で口にすることを忌むことば、またその代用に用いることば。蛇、猿の2語は全国的に忌まれ、蛇はナガモノ、猿はエテコウなどの語で代用される。また猫をヨコザ、牛をクロ、タワラゴという地方は多く、青森県下北郡の鱶(ふか)をエミス、新潟県粟島(あわしま)の鯱(しゃち)をタテエビスというなどは地方的な沖ことばである。近世期、北海道松前藩のニシン漁場では鰯(いわし)をコマモノ、鱒(ます)をナツモノ、熊をヤマノヒトとよばせるなど七つの沖ことばがあり、これを犯した者は処罰されたとの記録がある(『蝦夷喧辞弁(えみしのさえぎ)』)。沖ことばを用いるのは、蛇、猿、猫などを船霊(ふなだま)様が嫌うからであるとか、本名を使うと漁がなくなるからと説明されることが多い。なお沖ことばのなかには、猟師が山中で用いる山ことばに共通するものも少なくない。

[野口武徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

新暦の 4月後半から 5月の,梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから,梅雨の晴れ間の意味で,梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれ...

五月晴れの用語解説を読む