法懸松成田利剣(読み)けさかけまつ なりたのりけん

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「法懸松成田利剣」の解説

法懸松成田利剣
けさかけまつ なりたのりけん

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
鶴屋南北(4代) ほか
初演
文政6.6(江戸森田座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の法懸松成田利剣の言及

【累】より

…本名題《色彩間苅豆(いろもようちよつとかりまめ)》。1823年(文政6)6月江戸森田座で,4世鶴屋南北作《法懸松成田利剣(けさかけまつなりたのりけん)》の二番目序幕として初演。作詞松井幸三,作曲初世清元斎兵衛。…

【累物】より

…《伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)》(1778)以後は,たいてい伊達騒動を脚色した時代物の世界に繰り込まれるとともに,そのヒロインが鏡を見て自分を醜婦と知り,主人歌形姫に対する夫の忠義に嫉妬し殺される段取りが,累物の系脈を作った。文化・文政期(1804‐30)には,鬼怒川での累殺しと怨霊のケレン的活躍を見せ場にして怪談の要素が強くなり《阿国御前化粧鏡(おくにごぜんけしようのすがたみ)》(1813),《慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)》(《伊達の十役》,1815),《法懸松成田利剣(けさかけまつなりたのりけん)》(清元《累》を含む,1823)など多くの作品が登場。その後《新累女千種花嫁(しんかさねちぐさのはなよめ)》(1867),《雨夜伽累譚(あまよのとぎかさねものがたり)》(1879)は馬琴の伝奇小説趣味をなぞったもので,明治期の三遊亭円朝原作《真景累ヶ淵》で,怪奇を神経的なものからくるとみるなど,因果譚に発した累物の近代的到達を示している。…

【鶴屋南北】より

…幕府当局からの狂言差止めは1812年(文化9)1月市村座《色一座梅椿(いろいちざうめとしらたま)》でも惹起し,その年中不当りが続いたが,翌13年3月森田座での《お染久松色読販(うきなのよみうり)》(半四郎のお染の七役)は大当りを占めた。 後期の代表作には,半四郎の〈女清玄〉の《隅田川花御所染(すみだがわはなのごしよぞめ)》(1814年3月市村座),お六・八ッ橋(二役,半四郎)と願哲(幸四郎)の《杜若艶色紫(かきつばたいろもえどぞめ)》(1815年5月河原崎座),公卿の息女が宿場女郎に転落した巷説を舞台化した《桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしよう)》(1817年3月河原崎座),俳優の日常生活を舞台化した〈世話の暫〉の《四天王産湯玉川(してんのううぶゆのたまがわ)》(1818年11月玉川座),菊五郎,幸四郎の亀山の仇討《霊験亀山鉾(れいげんかめやまぼこ)》(1822年8月河原崎座),菊五郎,半四郎,団十郎の不破名古屋と権八小紫の《浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなずま)》(1823年3月市村座),清元《累(かさね)》を含む《法懸松成田利剣(けさかけまつなりたのりけん)》(1823年6月森田座),その最高傑作である《東海道四谷怪談》(1825年7月中村座),深川五人斬事件を劇化した《盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)》(1825年9月中村座),また番付にみずから一世一代と銘うった最後の作《金幣猿嶋郡(きんのざいさるしまだいり)》(1829年11月中村座)などがある。その年11月27日没し,葬礼に際しては《寂光門松後万歳(しでのかどまつごまんざい)》と題する正本仕立ての摺物を配らせ,自分の手で死を茶化した。…

※「法懸松成田利剣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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