朝日日本歴史人物事典 「清水柳景」の解説
清水柳景
江戸前期の加賀の蒔絵師。江戸の人。一説に元禄1(1688)年没。名は九兵衛。初代の清水右甫は加賀(金沢)藩祖の前田利家より呉服御用を仰せ付けられ,その後2代紹務,3代九兵衛も相次いで藩主利長,利常,光高の用命を受けた。4代九兵衛柳景は,幼少より蒔絵を学び,利常に召されて蒔絵御用を仰せ付けられ,寛文10(1670)年より20人扶持を受けた(『貞享三年八月書上』の由緒書)。作風は細密精緻で技巧を凝らし,基準作の前田家伝来「老松蒔絵硯箱」に「行年八十五清水柳景(花押)」の銘がある。<参考文献>『金沢市史』
(内田篤呉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報