日本大百科全書(ニッポニカ) 「烏蘭夫」の意味・わかりやすい解説
烏蘭夫
うらんふ
Ulanfu
(1904―1988)
モンゴル族出身の中国政治家。中国名は雲沢(うんたく)。内モンゴル、土黙特旗塔布(トウモトキタプ)村に生まれる。1920年以降西モンゴルの革命に参加し、1925年にはモスクワ東方大学に入学した。1927年中国共産党に入り、1929年に内モンゴル北部のフルンボイル独立を企てたが失敗した。延安時代には抗日軍政大学民族学院教育長を務めた。1947年5月1日内モンゴル自治区人民政府主席に就任。1949年人民政治協商会議に全国委員会常務委員として出席。以後、党・軍・政府の要職について、国内の少数民族問題、対外問題の分野で活躍した。1965年1月国務院副総理に再任したが、文化大革命中の1967年失脚、1973年中央委員として復活した。1977年中央統一戦線工作部長、中央政治局委員、1981年民族学院の初代院長、1983年国家副主席(主席は李先念(りせんねん/リーシエンニエン))に就任した。
[加藤祐三]