…この中心に近いほど湿潤で,中心から隔たるにつれて乾燥の度を増す。このような円環状の植生帯の中心を占めるコンゴ盆地は,低地熱帯多雨林によって覆われている。この森林はギニア湾に沿って西に伸び,乾燥植生が海岸にまで達しているダホメー・ギャップを隔ててさらに西アフリカの低地多雨林のブロックがある。…
… 北半球の植生において,温度については川喜田・吉良の暖かさの指数を,乾湿度に関してはケッペンの指数を用いて,相観に基づく植生区分である群系と気候との対応関係をうまく表すことができる。 高温多湿の熱帯多雨林は,鬱閉(うつぺい)した大高木層と小高木層の上に鬱閉しない巨大高木層をもつが,亜熱帯多雨林になると巨大高木層が欠けてくる。熱帯季節林(熱帯雨緑林)は,乾燥度が強まるにつれて,巨大高木層がなくなり,乾季に上層だけが落葉するものから全体が落葉するものに変わる。…
…なお熱帯では標高が高くなるにつれて平均気温は低下するが,年較差はほとんどない。そして平地から森林限界まで常緑の広葉樹林がみられ,低地熱帯多雨林,低山地熱帯多雨林,下部山地多雨林,上部山地多雨林に区別されている。 日本では,標高に応じた森林帯区分のほかに,太平洋側の山地と日本海側の山地とで森林の樹種構成が異なってくる。…
…世界的にみれば,気候が変われば相観は変わる。東アジアのような湿潤地域での熱帯から寒帯へという温度変化に伴っては,巨大高木を含めて3層の高木層をもち優占種がない常緑の熱帯多雨林,巨大高木層のなくなる亜熱帯多雨林,優占種が目だつ暖温帯常緑広葉樹林(照葉樹林),冷温帯落葉(夏緑)広葉樹林,亜寒帯針葉樹林,寒帯荒原(ツンドラ)へと移行する。熱帯での湿潤から乾燥へという変化に伴っては,熱帯多雨林,乾季に上層木が落葉する半常緑熱帯多雨林,全体が落葉する熱帯季節(雨緑)林,樹木を混じえた熱帯草原(サバンナ),とげ低木の生育する半砂漠,短命草本が出現する砂漠へと移行する。…
※「熱帯多雨林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新