普及版 字通 「爿」の読み・字形・画数・意味
爿
4画
[字訓] ねだい・かたはし
[説文解字]
[字形] 象形
片(へん)の反文。版築のとき、左右にあてて中の土を衝き固める板。〔六書故〕に引く〔唐本説文〕に「反片を爿と爲す。讀みて牆の(ごと)くす」とあり、牆壁を築くとき、土を盛り固めるあて木。卜文に疾の字は多く爿に従い、牀几(しようき)の形に用いる。一形にしてその両義をもつものであろう。
[訓義]
1. ねだい。
2. そえ木、版築のとき、両側にあてるあて木、そのかたはし。
[声系]
〔説文〕に爿声として壯(壮)・牆・牀・(状)・など十二字を収める。今本〔説文〕に爿字を収めないが、片部の末に片の反文として爿の字があったはずである。は版築のとき犬牲を用いることを示す字であろう。
[語系]
爿・牆dziangは同声。牀dzhiangも声が近く、みな牀、また版築の夾板に用いる板の形をとる。別に壯tzhiang、將(将)tziangは身分に関する字で、卜文・金文にみえる形の図象と関係があるものと思われる。この図象は殷系の貴族・王族より出た親王家の身分を示すものとみられ、壯・將は軍団の統率指揮にあたる身分称号を示したものであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報