内科学 第10版 「異所性CRH産生腫瘍」の解説
異所性CRH産生腫瘍(異所性ホルモン産生腫瘍)
疫学
前立腺癌,褐色細胞腫,甲状腺髄様癌,縦隔カルチノイドなどがCRHを産生する.また一部の異所性ACTH産生腫瘍も少量のCRHを同時産生する.
病因・病態
CRHの異所性産生量が多い場合には下垂体過形成を生じ,ACTH分泌を亢進する.
臨床症状・検査成績・診断
症状や検査所見はCushing病や異所性ACTH産生腫瘍と類似する.高用量デキサメタゾン試験,CRH試験,メトピロン試験に反応する例がある.腫瘍中のCRH産生,下錐体静脈洞内のACTH高値が証明される.
治療
異所性ACTH産生腫瘍の治療と同様である.[中里雅光]
■文献
Brownlee M, Aiello LP, et al: Complications of Diabetes Mellitus. In: Williams Textbook of Endocrinology, 12th ed (Melmed S, Polonsky KS, et al), pp1462-1551, Saunders, Philadelphia, 2011.
Gagel RF: Endocrine manifestations of tumors: ectopic hormone production. In: Cecil Textbook of Medicine, 23rd ed, pp1047-1050, WB Saunders, Philadelphia, 2009.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報