異所性CRH産生腫瘍

内科学 第10版 「異所性CRH産生腫瘍」の解説

異所性CRH産生腫瘍(異所性ホルモン産生腫瘍)

(6)異所性CRH産生腫瘍(ectopic CRH-producing tumor)
疫学
 前立腺癌褐色細胞腫,甲状腺髄様癌,縦隔カルチノイドなどがCRHを産生する.また一部の異所性ACTH産生腫瘍も少量のCRHを同時産生する.
病因・病態
 CRHの異所性産生量が多い場合には下垂体過形成を生じ,ACTH分泌を亢進する.
臨床症状・検査成績・診断
 症状や検査所見はCushing病や異所性ACTH産生腫瘍と類似する.高用量デキサメタゾン試験,CRH試験,メトピロン試験に反応する例がある.腫瘍中のCRH産生,下錐体静脈洞内のACTH高値が証明される.
治療
 異所性ACTH産生腫瘍の治療と同様である.[中里雅光]
■文献
Brownlee M, Aiello LP, et al: Complications of Diabetes Mellitus. In: Williams Textbook of Endocrinology, 12th ed (Melmed S, Polonsky KS, et al), pp1462-1551, Saunders, Philadelphia, 2011.
Gagel RF: Endocrine manifestations of tumors: ectopic hormone production. In: Cecil Textbook of Medicine, 23rd ed, pp1047-1050, WB Saunders, Philadelphia, 2009.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android