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褐色細胞腫

家庭医学館の解説

かっしょくさいぼうしゅ【褐色細胞腫 Pheochromocytoma】

[どんな病気か]
 副腎(ふくじん)の髄質(ずいしつ)にできた腫瘍(しゅよう)によって、自律神経(じりつしんけい)にはたらくアドレナリンやノルアドレナリン(まとめてカテコラミンとかカテコールアミンと呼びます)が過剰に分泌(ぶんぴつ)されて、高血圧をおこす病気です。
 若い人が、ひどい高血圧をおこすのは、この病気が原因のことがあります。
 高血圧のほか、顔面の紅潮(こうちょう)、ひどい発汗、動悸(どうき)、頭痛などもおこります。
 これらの症状は、長く続く場合もありますが、ときどき発作的におこる場合もあります。
[検査と診断]
 血液と尿をとって、その中に含まれるカテコラミンの量を調べると、増加しているのがわかります。腫瘍をさがすために、CTスキャン、MRI、血管造影などの画像診断を行ないます。
[治療]
 腫瘍を摘出すれば治ります。手術ができない場合には、血圧を下げる作用のある交感神経遮断薬(しゃだんやく)(α(アルファ)受容体遮断薬)を使用します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

かっしょくさいぼうしゅ【褐色細胞腫 pheochromocytoma】

副腎髄質やまれにはツッカーカンダル器官などの傍神経節クロム親和性細胞から生じた腫瘍で,カテコールアミンcatecholamines(アドレナリン,ノルアドレナリンなどのアミン類)を産生する。クロム染色により,腫瘍細胞は黄褐色に染まる。ほとんど副腎に発生するが,まれには骨盤腔,縦隔,頸部などにも発生する。90%は良性であるが,10%は悪性で転移がみられる。症状は,特徴的な高血圧のほかに,頭痛,動悸,胸痛,発汗,顔面蒼白,四肢冷感,やせなどがみられる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

褐色細胞腫
かっしょくさいぼうしゅ

副腎(ふくじん)髄質細胞、ときに交感神経系のクロム親和細胞から発生する腫瘍(しゅよう)。腫瘍細胞からカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)が大量に分泌されるためにいろいろな症状がおこる。おもなものは高血圧と糖尿病である。高血圧は発作的におこる場合と、持続的に血圧が高い場合とがある。発作的な場合は、急に不安感や緊張感に襲われ、動悸(どうき)や頭痛が始まる。脈が速くなったり手足が冷たくなり、ときには耳鳴りや吐き気、嘔吐(おうと)がみられる。また尿糖がしばしば出る。発作は数分から1、2時間、ときには数日続くこともある。しかしこのようなはっきりした発作がなく、いつも血圧が高く、また糖尿病になっている場合もある。診断には血中および尿中のカテコールアミンを測定する。治療は手術によって腫瘍を摘出する。高血圧で諸器官が悪くならないうちに手術をすれば完全に治る。[高野加寿恵]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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