内科学 第10版 「皮膚筋炎・多発筋炎」の解説
皮膚筋炎・多発筋炎(膠原病および類縁疾患)
皮膚筋炎(DM)の消化管病変として重要となるのは悪性腫瘍の合併である.DMに合併する悪性腫瘍に臓器特異性はないが,わが国では胃癌の合併が多く約40%を占め,進行癌で発見されることが多く予後不良である.食道癌や大腸癌合併の報告もあり,DMの治療前に悪性腫瘍の検索が重要である.皮膚筋炎と悪性腫瘍の因果関係についてはいまだ不明な点が多いが,悪性腫瘍の治療によりDMの症状が改善したとの報告がある.その他の消化管病変としては咽頭筋障害や食道蠕動低下による嚥下障害などがある.[安藤貴文・後藤秀実]
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