朝日日本歴史人物事典 「真恒」の解説
真恒
平安後期の備前(岡山県)の刀工。古備前と呼ばれる刀工群のうち,正恒を中心とする恒光,利恒など「恒」の字を通字とする系統の刀工。作品はあまり多くはないが,静岡県久能山東照宮に元和3(1617)年徳川2代将軍秀忠が奉納した国宝の大作が著名である。これは長さ89.4cmの堂々とした大太刀で,大きさ,出来の良さ,完全さで同じ古備前物の名物大包平の太刀と全日本刀中の双璧をなす。これ以外の作はこの時代の他の古備前物と共通する形姿,作風をみせる。
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報