大太刀(読み)おおだち

精選版 日本国語大辞典 「大太刀」の意味・読み・例文・類語

おお‐だち おほ‥【大太刀】

〘名〙 (古くは「おおたち」)
① 大きな太刀
書紀(720)武烈即位前・歌謡「飫裒陀(オホタチ)を垂れ佩(は)き立ちて、抜かずとも 末はたしても 会(あ)はむとぞ思ふ」
② 鎌倉以後、打物(うちもの)合戦激化につれて長大化した太刀の称。
平家(13C前)一一「いか物づくりの大太刀はき」
※嘉吉物語(1492頃)「六尺余りの大たちをまっかうにさしかざし」
③ 大山詣りの者が「大願成就」と書いて奉納する、大きな木太刀。前に納めた太刀と取り代えて持ち帰り、それを護符とした。納太刀(おさめだち)
※雑俳・柳多留‐一四(1779)「死ぬこっちゃないと大太刀持ってくる」
④ (大太刀を佩(は)いて舞台に現われるところから) 市川流の荒事(あらごと)異称
※雑俳・柳多留‐一二二(1833)「大太刀は市川流の家の株」

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デジタル大辞泉 「大太刀」の意味・読み・例文・類語

おお‐だち〔おほ‐〕【大太刀】

《古くは「おおたち」》
大きな太刀。
南北朝ごろから用いられた長い太刀。背負ったり従者に担がせたりして携行した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の大太刀の言及

【太刀】より

…刃を下にして佩用(はいよう)するため,その外側となる面(佩表)に銘を切るのを通例としている。一般に太刀は反りが高く,2尺5寸前後の長さが多いが,2尺以下のものは小太刀,3尺以上のものを大太刀とよんでいる。原則として太刀は鎌倉末期にはじまり,室町初期まで用いられ,中期以後は打刀が主流となった。…

※「大太刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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