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空気抵抗 くうきていこうaerodynamic drag

知恵蔵の解説

空気抵抗

揚力を利用して飛行する航空機の空気抵抗は、揚力発生に伴う誘導抵抗と形状抵抗とで構成される。誘導抵抗は揚力発生に伴う空気抵抗。高速飛行では非常に小さくなり、低速で大きくなる。形状抵抗の内容は飛行体の後方に渦を発生する圧力抵抗と、空気の粘性によって発生する摩擦抵抗。速度のほぼ2乗に比例して大きくなる。流線型の飛行体では圧力抵抗の占める比率は非常に小さい。誘導抵抗と形状抵抗が等しくなったときに空気抵抗が最小、揚抗比最大となる。誘導抵抗は大きな翼幅を使えば小さくなるから、人力飛行機やグライダーでは大きな翼幅が使われる。近年のジェット旅客機の翼端に立てられているウイングレットという小翼も誘導抵抗を減らすもの。摩擦抵抗の低減手段には、境界層と呼ばれる粘性の影響をうける薄い領域内の流れを広く層流に保つ層流翼が有名。アメリカスカップ・レース用のヨットに使われた流れに沿って細い溝を並べるリブレット、スケート選手の衣服の表面に張り付ける特殊テープ、特殊素材の水着などが同種の抵抗低減手段として知られている。遷音速、超音速飛行では、空気の圧縮性によって衝撃波が発生し、造波抵抗が加わる。後退翼やデルタ翼、胴体の主翼との結合部をくびれさせ断面積分布をスムースにするエリアルールは造波抵抗を減らす技術。

(鳥養鶴雄 元日本航空機開発協会常務理事 技術士(航空機部門) / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

デジタル大辞泉の解説

くうき‐ていこう〔‐テイカウ〕【空気抵抗】

物体が空気中を動くとき、または空気の流れの中で物体が静止しているとき、進行方向や空気の流れとは逆向きに生じる抵抗力

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

空気抵抗【くうきていこう】

抗力

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典内の空気抵抗の言及

【飛行機】より

…例えば1903年のライトフライヤー機の翼は面積1m2につき7kgfの揚力しか出せなかったが,現在のジャンボジェット(ボーイング747)の翼は1m2で700kgfあまりの揚力が出せる。このため,同じ重量に対して外形がコンパクトになり,空気抵抗が減り,いろいろな性能がよくなるのである。
【飛行機の歴史】

[鳥の模倣からの脱却]
 鳥が大空を自由に飛んでいるようすを見て,自分たちもあのように飛んでみたいと願い,またくふうすれば飛べるかも知れないと人間が考え始めたのはずいぶん古いことに違いない。…

※「空気抵抗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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