糟湯酒(読み)カスユザケ

デジタル大辞泉 「糟湯酒」の意味・読み・例文・類語

かすゆ‐ざけ【×糟湯酒】

酒のかすを湯に溶かした飲み物。
「―うちすすろひて」〈・八九二〉

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精選版 日本国語大辞典 「糟湯酒」の意味・読み・例文・類語

かすゆ‐ざけ【糟湯酒】

  1. 〘 名詞 〙 酒の糟を湯にといたもの。
    1. [初出の実例]「糟湯酒(かすゆざけ) うち啜(すす)ろひて」(出典万葉集(8C後)五・八九二)

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世界大百科事典(旧版)内の糟湯酒の言及

【酒】より

…また天皇から殿上人に酒をたまわる淵酔(えんずい)と呼ばれる酒宴も催されていた。奈良時代の酒といえば,山上憶良の〈貧窮問答歌〉にみえる糟湯酒(かすゆざけ)があり,また酒を好んだ大伴旅人のことが知られている。糟湯酒は酒糟を湯にとかしたものであった。…

【酒かす(酒粕∥酒糟)】より

…酒かすの重量の15~20%が酵母菌体であるため栄養に富み,ビタミンが多い。 《万葉集》巻五の山上憶良の〈貧窮問答の歌〉には〈糟湯酒(かすゆざけ)〉で寒さをしのぐ様子が歌われており,8世紀初頭にはどぶろくをこした残りのかすを湯にといて飲んでいたのであろう。《延喜式》には〈大篩(おおぶるい)で酒を篩う〉とあり,また〈酒槽(さかふね)〉を用いて,〈糟垂袋(かすたれぶくろ)〉すなわち酒袋に入れたもろみを搾り,現在に近い酒かすがえられていたと思われる。…

※「糟湯酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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