かす

精選版 日本国語大辞典 「かす」の意味・読み・例文・類語

か・す

〘接尾〙 (五(四)段型活用) 他動的な意味を強調するのに用いる。四段活用動詞未然形に付く場合が多いが、二段活用の動詞の語尾をア段に変えた形などに付く場合もある。
蜻蛉(974頃)上「脛(はぎ)を布のはししてひきめぐらかしたる者ども」
源氏(1001‐14頃)関屋「車など、かたへはおくらかし」
[語誌](1)用例は平安初期から見られるが、俗語的、口語的な語であったらしい。カ行四段活用動詞の未然形+「す」、他動的・使役的な形との類推によって使われるようになったともいわれる。院政鎌倉・室町期などの文献には用例が多く、現代でも俗語的な感じで用いられ、諸方言にも多く残る。
(2)「散らかす」と「散らす」、「冷やかす」と「冷やす」などのように、対応するはずの語どうしで意味が異なるものもある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「かす」の意味・読み・例文・類語

か・す

[接尾]《動詞五(四)段型活用》動詞の未然形に付いて動詞をつくり、そのようにさせるという意を表す。「散ら―・す」「冷や―・す」
「なほ思ひの罪がら―・し給へ」〈宇津保・蔵開上〉
「然らばこれ構へて見顕は―・さばや」〈今昔・二七・三五

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