緩和時間(読み)カンワジカン

化学辞典 第2版 「緩和時間」の解説

緩和時間
カンワジカン
relaxation time

[別用語参照]緩和現象

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の緩和時間の言及

【核磁気共鳴】より

…パルス・フーリエ変換によるNMRいわゆるFT NMRの普及によって,C‐13核やその他の核たとえばN‐15,Si‐29などのNMRの測定も可能となった。FT NMRの導入は,緩和時間など時間に関係するパラメーターの取得を可能にした。 図5にはニコチンのC‐13 NMRスペクトルを示す。…

【緩和現象】より

…すなわち,外的条件の変化に対して系の状態が新しい外的条件の下での平衡状態に達するまでには遅れが存在する。このような遅れの存在する現象を緩和現象といい,遅れの目安となる時間を緩和時間と呼んでいる。ただしこのような現象はあまりにも一般的なものであるため,遷移に要する時間が非常に短くて問題にならない場合や,逆に非常に時間がかかる場合は緩和現象の範疇(はんちゆう)に含めないのがふつうである。…

【磁気緩和】より

… 常磁性物質では外部磁場に平行な方向の磁化の緩和を縦緩和と呼び,外部磁場に垂直な方向の緩和を横緩和と呼ぶ。単純な場合にはこの緩和は磁化のそれぞれの成分について時間の関数として指数関数的で,それを特徴づける特性時間があり,これを緩和時間と呼んでいる。緩和時間の長さとその温度変化が,それぞれの緩和の機構の同定を通じて,電子,あるいは原子核の磁気モーメントのまわりの微視的な情報を与える。…

【粘弾性】より

…また一般の液体は粘性を示すだけでずれの変形に対しては弾性を示さないが,高分子のゲルや溶液ではずれの弾性も示す。これらの現象が粘弾性の典型例であるが,このようなふるまいは,物質が変形するのに一定の時間を要することによるとして理解されており,この時間を緩和時間と呼ぶ。すなわち,緩和時間より速い外力に対しては弾性的な性質を示し,ゆっくりした外力に対しては粘性的な性質を示すのである。…

※「緩和時間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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