日本大百科全書(ニッポニカ) 「胆道ドレナージ」の意味・わかりやすい解説
胆道ドレナージ
たんどうどれなーじ
胆管閉塞(へいそく)によってたまった胆汁を排出(ドレナージ)し、黄疸(おうだん)を軽減するために行われる処置。胆道とは、胆管と胆嚢(たんのう)(胆汁を貯留・凝縮する袋状の臓器)をあわせた部位をさす。
閉塞部位や病状、全身の状態により、おもに「経皮経肝胆道ドレナージ」または「内視鏡的胆道ドレナージ」が選択され実施される。
経皮経肝胆道ドレナージでは、超音波ガイド下に皮膚から肝臓を経由して胆管に針を進め、そこにチューブを留置して体外に胆汁を排出させる。
内視鏡的胆道ドレナージでは、内視鏡を胆管出口の十二指腸乳頭部まで挿入し、内視鏡ガイド下にステント(金属やプラスチック製の筒状の医療器具)を胆管内に留置して、胆管から十二指腸への胆汁の流出路を確保する方法(内視鏡的胆道ステント留置術)と、内視鏡ガイド下に胆管にチューブを挿入して、鼻から胆汁を排出する方法(内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)がある。超音波内視鏡(EUS)を用いて、十二指腸や胃から胆管にステントを挿入し、十二指腸乳頭部を介さずに胆汁を消化管に排出する方法(超音波内視鏡下胆道ドレナージ〈EUD-BD〉)が行われることもある。
[渡邊清高 2020年3月18日]