…広義には面(おもて)(能面,狂言面)を除く扮装用具のすべてを指し,狭義には衣服および鬘帯(かつらおび),腰帯などの付属の布製品を指す。染織工芸,デザインなどの分野では〈能衣装〉の用語が使われていて,能楽用語としても中世末から近世初期の伝書類には〈衣装〉の語が頻用されているので,元来この語を用いることは不当ではないはずだが,現在は必ず〈装束〉と呼称する。
[史的変遷]
創成期の能装束がどのようなものであったかは,遺品も伝わらず記録も乏しいので不明だが,今日わずかに残されている室町末期から桃山時代にかけての装束を見ると,基本的な形や種類は現在使用されている能装束と大差はない。…
※「能衣装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
1 《「礼記」月令から》カワウソが自分のとった魚を並べること。人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところからいう。獺祭魚。おそまつり。うそまつり。2 《晩唐の詩人李商隠が、文章を作るのに多数の書物を座...