臍状体(読み)さいじょうたい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臍状体」の意味・わかりやすい解説

臍状体
さいじょうたい

地衣類イワタケ科およびアナイボ科(カワイワタケ属)にみられる特殊な器官で、地衣体裏側のほぼ中央にできる短小で硬い突起物。地衣体はこの臍状体によって岩上に着生する。

[佐藤正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の臍状体の言及

【地衣類】より

…共生藻はゴニジアgonidiaとも呼ばれ,緑藻類やラン藻類に属し,トレブクシア属TrebouxiaネンジュモNostocスミレモTrentepohliaが多い。 地衣体の外部形態はさまざまであるが,地衣体が未分化で基物に密着する固着地衣類(例,チズゴケ),地衣体が葉状で背腹性があり,裏面に仮根(偽根)や臍状体(さいじようたい)をもつ葉状地衣類(例,ウメノキゴケイワタケ),地衣体の基部で基物に付着し,立ち上がったり垂れ下がったりする樹枝状地衣類(例,サルオガセハナゴケ)の三つに大別できる。地衣体の内部構造は典型的な葉状地衣類では,保護組織の皮層と同化組織の藻類層(ゴニジア層)や髄層medullaに分化する。…

※「臍状体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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