日本歴史地名大系 「蒭野郷」の解説 蒭野郷くさのごう 福岡県:豊前国仲津郡蒭野郷「和名抄」では高山寺本・名博本は「蒭野」、伊勢本・東急本・元和古活字本は「蒭見」と記し、いずれも訓を欠く。「太宰管内志」も「蒭見」と記すが、現行橋市草野(くさの)に比定されることから、蒭野と記して「くさの」と訓ずるのであろう。この地は現在の小波瀬(おばせ)川右岸にあり、当時の京都(みやこ)郡との境をなしていた。長徳五年(九九九)一月一日の京都郡雨米事件の際には「前蒭野庄検校俗名早部信理」(日下部信理か)の名がみえており(「本朝世紀」長保元年三月七日条)、すでに宇佐宮弥勒寺領として蒭野庄(草野庄、現行橋市)が成立していた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報