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太政官が管轄下にある官司に下した文書。略して官符ともいう。公式令で命令下達の文書と規定された符式によって,太政官から八省,大宰府,国司等に下すものであった。詔書・勅書の施行,諸司から請求のあった官裁の施行,太政官の行政事務執行等の場合に用いられた。その作成にあたっては太政官の書記官で四等官制では,三,四等官にあたる弁官と史が担当し,本文のあと上段に弁官,下段に史が署名した。本文紙面上には朱印がおされるが,八省など在京諸司あてのものには外印(印文〈太政官印〉)が,地方の大宰府,国司あてのものには内印(印文〈天皇御璽〉)がおされた。このほか地方に下す官符には使人の位姓名,駅鈴の口数が紙面袖に書かれる。官符は詔勅の施行も行うところから権威ある文書とされ,律令を修正・補足するものは〈格〉〈式〉として重んじられ,荘園制においては官符と民部省符で特権を認められた荘園は官省符荘といって由緒を尊重された。現存最古のものは750年(天平勝宝2)宮内省にあてられたもので《正倉院文書》中にある。
執筆者:飯倉 晴武
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官符とも。公式令(くしきりょう)における,太政官から神祇官・八省・弾正台・大宰府・諸国などに発給される下達文書。弁官が作成にあたり,書式は一般の符と同じ。在京諸司に下す場合には外印(げいん)(太政官印)を,外国に下す場合は内印(天皇御璽(ぎょじ))を捺すことになっていたが,のちに内容により内印・外印を区別した。詔書・勅旨や天皇の裁可をうけた論奏などの施行,太政官の決定事項の施行,弁官の事務上の命令の施行など広範に用いられたが,平安時代半ばに,より簡便に発給できる官宣旨(かんせんじ)などにかえられることが多くなった。
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…太政官が管轄下にある官司に下した文書。略して官符ともいう。公式令で命令下達の文書と規定された符式によって,太政官から八省,大宰府,国司等に下すものであった。詔書・勅書の施行,諸司から請求のあった官裁の施行,太政官の行政事務執行等の場合に用いられた。その作成にあたっては太政官の書記官で四等官制では,三,四等官にあたる弁官と史が担当し,本文のあと上段に弁官,下段に史が署名した。本文紙面上には朱印がおされるが,八省など在京諸司あてのものには外印(印文〈太政官印〉)が,地方の大宰府,国司あてのものには内印(印文〈天皇御璽〉)がおされた。…
※「太政官符」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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