…イギリス,アメリカ,フランスなどの統治機構は,議会を中心としてその立法にもとづく司法・行政を考えるため,政府概念は広義のものとなることができた。ドイツや日本では,君主大権のもとで,官僚的行政機構(官僚制)中心の国家形成が上から進められ,議会はむしろ,政府=行政府と対立するものと観念された。これを基礎づけたドイツ国法学は,政府を立法機関から独立した〈指導の国家的・法律的形式〉(H.ケルゼン)に限定することにより立憲主義,自由主義の理念と官僚主義的行政国家の妥協をはかったのであった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」