…《茶湯秘抄》によると〈路地に五畳敷のキヌヌキ有之ナリ〉とみえ,奈良の茶匠,松屋久行は待合のような部屋を設けていた。この衣脱(きぬぬき)は〈今更之様ニ申セ共,昔よりもありたるぞ〉とも誌(しる)されているところから,遅くとも村田宗珠,武野紹鷗(しようおう)の時代より以前からあった施設であることが知られる。茶室に縁が付いていたころには,縁が腰掛の役割をしていたが,松屋久栄の露地では,縁側の前の庇(ひさし)の下に〈長五尺六寸,足フトサ一寸二分〉の床几を置いて腰掛待合に使われていた。…
※「衣脱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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